端午の節句をお祝いしよう!ちまきは関東と関西で違う?!
奈良・平安の時代から貴族を中心に文化が発展した関西と武家社会の集大成・町人文化が花開いた関東では風土や言葉だけでなく、食文化にも違いがあります。しょうゆ・だし・おにぎり/おむすび・いなりずし等その違いをあげるときりがありません。年中行事の料理も同じく違います。今回は「端午の節句をお祝いしよう!ちまきは関東と関西で違う?!」についてまとめさせていただきました。
端午の節句とは
端午の節句は5節句の一つで男の子の健やかな成長を祈る年中行事で、中国が起源ともいわれていますがはっきりしていません。日本では奈良時代から行われています。端午の節句は季節の変わり目なので厄を払う「魔よけ」の行事でもありこいのぼりや鎧かぶとを飾るだけでなく、厄を払う食べ物を食べます。
端午の節句の食べ物
端午の節句といえば「背くらべ」の歌がとても有名ですね。「背くらべ」の動画を紹介させていただきます。
童謡 せいくらべ (みみちゃんレコード) [中山晋平作品]
この歌は作詞家海野厚が静岡で暮らした子供時代に遠く東京で暮らす兄との思い出を詩にした作品です。
「?」と思われた方もいらっしゃると思います。特に関東の方。端午の節句の代表的な食べ物は「柏餅」を思い浮かべますが、ここで食べられているのは「ちまき」なのです。なぜなのでしょう?時代違うから?それとも別の理由があるのでしょうか?どちらも正解です。柏餅に使われる「柏の葉」は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「子孫繁栄」の象徴とされているのですが、関東よりも西では珍しい植物であったために、当時は関東よりも西の地域では「端午の節句」といえば「ちまき」を食べていました。流通が発展した現代では全国どこでも「柏の葉」が手に入りますが、昭和初期まで関東では「柏餅」関西では「ちまき」を多く用いていました。
関東と関西のちまきの違い
もう一つの「ちまき」の理由は、関東と関西で一般的な言葉として「ちまき」の違いがあるのです。どちらも餅米を笹の葉等でくるんだものを蒸しあげる料理ではありますが、関西では葛やういろう、餡子等が中身とする和菓子に近いものをさすのに対して、関東ではおこわに近い「中華ちまき」を通常「ちまき」と呼びます。同じ「ちまき」でも関東と関西ではちょっと違うものを指すんですね。
四季折々の節分の食べ物ですが、神様にお供えしたものをいただく事でその力を分けていただくという効果については「柏餅」も「ちまき」もどちらも効果は変わりません。大切なのは食べ物に感謝し美味しくいただく事です。子供の健康と幸せな将来をねがい美味しくいただきましょう。