ひな祭りで菱餅やはまぐりを食べるのはなぜ?食べ物の由来をご紹介
古き日本の平安時代から続く、ひな祭りは「女の子の健やかな成長と幸福を願うお祭り」であると同時に「厄を払う」禊(みそぎ)のイベントでもあります。古き良き伝統の行事食にはそれぞれ意味が込められていて、栄養学的にも根拠を持つものもあります。今回は「ひな祭りの菱餅やハマグリなどの食べ物の由来について」まとめさせていただきました。
ひな祭りの由来について
ひな祭りの起源は紀元前の中国で幼女が次々と死んでしまい、穢れを払うためにお酒と一緒に亡骸を川に流した事が始まりとされています。日本にいつ伝わったかは定かでありませんが、平安時代に縁起が良いとされる「奇数」が並んだ日1/1、3/3、5/5、7/7、9/9に宮中で季節を楽しみ、穢れを払うために宴を開いていた事が当時の文献に残っています。庶民の中で現在のひな祭りを祝う事になったのは江戸時代と言われています。
ひな祭りの代表曲「たのしいひな祭り」はサトウハチロウの作詞ですが、もともとは嫁ぐ直前に若くして急死した姉を想っての詩です。昔も今も幼い子供の「死」は性別を問わず耐えがたい出来事です。今年も来年も元気で子供たちと過ごせるように、ひな祭りには願いを込めて「宴」を楽しみましょう。
ひな祭りの食べ物の由来
菱餅を食べる意味
餅の原料である米はとても神聖なものです。ひな祭りは春の訪れを告げる年中行事でもあるので、家族が健康に働いて、天災もなく五穀豊穣の年になるように願いをこめて雛段に菱餅を供えます。また、菱餅は三色には意味があり、ピンクは桃の花と魔よけの意味があり解毒作用のあるクチナシの色素を使っています。白は残雪と純潔を意味し血圧を下がる効果のあるヒシの実を使っています。緑は大地と健康を意味し造血作用のあるヨモギを使っています。もともとは丸いお餅をお供えしていたのですが、白に使われているヒシの実の繁殖力にあやかって子孫繁栄を願いひし形になりました。
ひなあられは菱餅を外でも食べられるように手を加えたもので、意味は菱餅と一緒です。
はまぐりのお吸い物を食べる意味
はまぐりは二枚貝でふたつと同じものはなく、対になっているもの以外では合いません。夫婦が一生一緒に過ごせるように願いを込めていただきましょう。ハマグリにふくまれるタウリンには免疫機能を高めたり、造精機能の向上があります。
はまぐりのお吸い物を簡単に美味しく作るつくりかたの動画を紹介させていただきます。
オリンピックの超簡単レシピ はまぐりのお吸い物(潮汁)の作り方 ☆ひなまつりの一品に♪
ちらし寿司を食べる意味
昔から寿司の寿は「寿」とも読めるため、寿司は「ハレの宴」に欠かせない料理です。ちらし寿司に乗っている「海老」は長寿を、混込まれている「蓮根」には極楽浄土と明るい未来、「豆」は健康と五穀豊穣を祈っています。根菜類たっぷりカルシウムたっぷりのちらし寿司は便通促進と骨の強化の効果があります。
見た目も楽しい晴れやかなひな祭りの行事食ですが、まさに「医食同源」先人たちの英知は測り知れません。「ひな祭りの食べ物の由来」をご紹介させていただきましたが、先人たちに感謝し、子供たちの幸福な未来を想いながら、楽しく召し上がっていただければと思います。